蟲師 #16 暁の蛇

脳に巣くって記憶を食べる蟲の話。うららかな春の川面から始まる今週の話は、別に春の話というわけではないけれど、先週の冬の中の春の話からイメージ的に続いています。
ギンコは結局蟲を追い出せないけれど、つらい記憶は蟲に食べさせれば幸せに生きられるという切ない話ですが、どこかひょうひょうとした母子のキャラもあいまって、ユーモラスな味わいがありました。
陰膳をうまく使って、母親の素朴で素直な人柄を表し、父親の不在とさらに忘れた事さえ忘れてしまった欠落という二重の不在を象徴させています。こういう小道具があるとお話がピリッと締まるねえ。