狼と香辛料 #1 狼と一張羅

タイトルのセンスがいい。異国風でちょっと時代がかった「香辛料」の語には砂漠と南洋の、「狼」には草原と北方のイメージがあって、組み合わせることで見知らぬ世界を旅するファンタジーの香しい風を感じさせる。
舞台は、人の力がもののけたちを世界の片隅に押しやっていきはじめた頃。狼を豊穣神として崇める信仰は薄れつつあるものの、いまだ習俗の中に色濃く残っている時代。
収穫祭前の村人たちの描写で、架空の異世界の空気を丁寧に描き出す。ありもののパターンを流用しただけのファンタジーが多い中で、独自の新しい世界を築こうとしていることに好感をもちました。
原作未読。とりあえず、ホロがずっとハダカなんでいつ服を着るんだろうかとドキドキした。