ザ・マジックアワー

三谷幸喜の「超大作」シチュエーション・コメディザ・マジックアワー」。
最初は、俳優をダマして現実の事件を映画の撮影だと信じ込ませる。次々におこる危機をアドリブの縁起でのりきっていく。それが最後に逆転して、映画を現実の事件に見せかけるという展開になる。映画が現実となり現実が映画となる。ありえない無茶な設定が、とんでもない偶然で、あるいは強引なこじつけで辻褄があってしまう。そのありえなさの落差がギャグになる。「ジェットコースタームービー」というと派手なアクションが連続する冒険活劇のことだけれど、こういう映画を見てるときのほうがずっとジェットコースターに乗ってる気分だ。大好きなんだけど、スリリングな脚本のアクロバットに思わず目をつぶってしまったりするような。映画の中のような現実は、最後に映画に取り込まれてハッピーエンド。エンディングではセットが組み立てられていく様子が映り、セットが完成すると映画のファーストシーンとなる。映画から出て映画に戻る。まさに完璧。
黒衣の101人の女というセルフパロディみたいな映画の監督で市川崑本人がでてたのね。