魍魎の匣 #13 魍魎の匣、あるいは人の事

一瞬でも信用してしまったらあなたの負けだ。これを呪をかけるという。あなたがたの分野では扱えない、僕の唯一の武器だ。

京極堂かっけー。一番シビれたせりふをここぞという演出で見せてくれたので大満足。背景が突然鉄骨だらけのコンビナートになったり、大雨の中でなぜか花火が打ち上がったり、よくわからん演出も多かったけど、まあいいんじゃないの。見ててもなんで久保が美馬坂に噛みついたのかわからんだろと思ったけど、関口のモノローグを随所にいれて、最後「何だか酷く―男が羨ましくなってしまった」で終わらせる流れは気持ちが良かった。
膨大な「魍魎の匣」原作の詳細な書き込みを整理し直して13回にまとめあげたのは成功したといえる。作中小説のイメージが関口の妄想だから彼の知人が登場する、とか同じシーンが視点を変えて繰り返されるとかわかりにくかったようにも思ったけれど、京極原作の妖しげな雰囲気を再現しつつ説明をダイジェストにして映像化したことで魅力は十分に伝えられたと思う。