ガラスの仮面、あるいは北島マヤの復活

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面」43巻が出ました。何年ぶりだろう。紅天女の話になってからは段々と単行本化の際の加筆修正がはげしくなり、ついには単行本未収録の連載分を大量に残したまま長期中断、やっとほぼ全面改稿の42巻が出たと思ったらまたもや長期休載で、ほとんど諦めかけてました。書き直すたびに話のテンションも落ちていくし、なんだかグダグダになっていきそうだったんで、なまじ妙な完結されるよりはこのまま未完の方がいいかな、とか思ってました。でも、この43巻はそれでも待った甲斐がありました。そもそも女神だの精霊だの、俳優も観客も信じてないだろうというラディカルな指摘を受けて、北島マヤが「自分の阿古夜」に向かい始める一方で、オンディーヌはまたぞろ悪だくみという展開でようやく面白くなってきました。
紅天女が存在することをどう信じさせるのか、リアリティをどう感じさせるのか、マヤの受けた問いかけは作者の美内すずえ自身への問いかけでもあったのでしょう。