明治32年、ミッドウェー付近で遭難して
無人島に漂着した十六人の男たちが無事全員救助されるまでの実話。物語ならば危難を乗り越えるともっと大きな危難が襲ってきたり、仲違いしたり、絶望の淵に沈んだりとかいろいろと盛り上げるけれども、実話なのでそうした作為がない。水と食料を確保するまでの試行錯誤が過ぎると、周囲を探検したりウミガメやアザラシと遊んだり、むしろ楽しそうである。
時代精神なんだろうか、とにかく全員前向きで勤勉で苦労を苦労と思わないタイプばかりで、それが嫌みに全然なっていないあたり隔世の感がある。南の島でのアウトドアな休日に憧れる人におすすめ。