図子慧「駅神」

駅神 (ハヤカワ文庫 JA ス 2-2)

駅神 (ハヤカワ文庫 JA ス 2-2)

片道5分の短い路線に気紛れに現れては卦を立てる謎の老人。その占いはいつもよく当たるけれど、出た卦の解釈が不親切で相談した人にはなかなかピンとこない。そこで易を勉強中の四人があれこれと老人の判定を推理する、という易占ミステリ。相談者の悩みは日常の悩みというより犯罪絡みで、4人は話を聞くだけで捜査などはしないから安楽椅子探偵ものと言うことはできる。ただ推理の対象はあくまで占いの中身であって、結果的に事件が解決して占いが当たってたことがわかるという結末になる。なんだか捕物帳みたいです。一つの卦の解釈の具体例がたっぷり読めるので易経に興味のある人にはぴったり。