輪るピングドラム #24 愛してる

大切な人を救って、自分は最初からいなかったことにされてしまう、リセットエンドとでも言うのか。ウテナと一緒だな。まどかもそうだったし。感動的なんだけれど、またこれか、と言う気もしないでもない。
「運命の果実を一緒に食べよう」が運命を乗り換えるキーワードで、渡されるピングドラムが半分のリンゴだから、一緒に食べる運命の果実ってのがピングドラム。運命の呪いってのは自意識の牢獄につながれた孤独で、そこから逃れるために誰かと運命の果実を分け合わなくてはならない。アバンの、別々の箱に閉じ込められた高倉兄弟がリンゴを手渡しするシーンはそれをメタファーしてるんだろう。自意識の牢獄を出て運命を乗り換えるということは、これまで築いてきた自分を破壊することでもあり、自意識が強固に完結していれば深く傷つく必要もある。ということで、ガラスの破片が舞い散ったり流血したりしてたんだろう。運命の果実がリンゴだったり、生きてることが罰だったり、キリスト教っぽいガジェットが埋め込まれてるけど、あんまりキリスト教的な話じゃないよね。
大量にばらまいた伏線っぽいフックを使い捨てて、筋は通ったけれど、面白かったかと言われると、どうなんだろう。シリーズ前半のリンゴとゆりの鞘当て合戦とか、なんだったんだろうとも思うし。で、結局、運命の果実ってのは、誰と誰が一緒に食べたんだ。最初が冠馬と晶馬、最後が冠馬と陽鞠?ブロイラー工場で晶馬と陽鞠が食べたんだっけ?冠馬が晶馬にあげたリンゴが晶馬、陽鞠を通って冠馬に戻ったとすると、たしかに輪っているな。で、結局残ったのは冠馬・晶馬の男同士と、陽鞠・苹果の女同士。