強制給餌では、まずフードをポンプのシリンダー部分に詰める。最初もらったポンプが小さかったこと、当時のフードが固めだったことから、ただそのまま詰めただけでは、なかなかスムーズに押し出せなかった。なので充分柔らかくなるまですり潰してやる必要があった。
また、ちょうど一口で食べきる量を口の中に入れてやらないといけないが、その見極めも試行錯誤だった。その後何度も繰り返して、美夜と呼吸を合わせて一口分をいれてやることができるようになったけれど、最初は散々であった。ネコは口を開けさせられるのは普通に嫌がるから、うまくポンプの先を咥えさせられた瞬間にフードを押し出してやらないと、口の周りだの顎の下だのになすりつけることになってしまう。また量が多すぎても、食べこぼしがあたりに散乱する。フードはすり潰してどろどろになってるから、拭き取るのもそれなりに手間がかかる。美夜の毛皮も私の服もあちこちフードがこびりついて大変なことになってしまうのだった。それでも口に入った分はかつかつと咀嚼して満足げであったので、なんだ食べるじゃんと少しほっとした。最初の時は、私も美夜も強制給餌に慣れる前に、自分でまた食べるようになったので、そこで強制給餌は止めた。