中島三千恒「軍靴のバルツァー」

軍靴のバルツァー 9 (BUNCH COMICS)

軍靴のバルツァー 9 (BUNCH COMICS)

19世紀帝国主義時代のヨーロッパ中部、ヴァイセンとエルツライヒ、二大帝国に挟まれた小国バーゼルランドを舞台にした軍事マンガ。未だ中世の色濃く残るバーゼルランドは軍事大国ヴァイセンと同盟を結び、軍の近代化のためにヴァイセンから軍事教官を迎える。バーゼルランドの士官学校教官兼軍事顧問となったヴァイセン陸軍のバルツァー少佐は、色々困難を乗り越えて、第二王子の信頼を得るに至る。
一方で、バーゼルランドへの影響力拡大に動くヴァイセンに対抗して、エルツライヒバーゼルランド第1王子を煽ってクーデターを起こさせる。第2王子は士官学校に籠城するが、大軍に包囲されて補給もままならない中で大苦戦。そこに、ヴァイセンに帰国していたバルツァーが敵中を横断して救援に駆けつける、というところまでが前巻。
政治も戦争も、中世から近代に移行している真っ只中で、より大胆に発想を変えた者が勝つ、という環境で個人のひらめきが状況を大きく変えていく面白さが充溢してます。そのひらめきの正しさは後の歴史が証明しちゃってるので、単なるハッタリではない説得力があるし。
絶体絶命のピンチでさあどうなる、ってとこで次巻に続くとなるのが定番だけど、これはピンチにつぐピンチでもうダメかっていうギリギリのとこで逆転のチャンスを掴んで、さあこっから一気に巻き返すぞってとこで次巻に続くになる。こういうのも続きがすっごい読みたくなる、うまい引きだね。
軍靴のバルツァー コミック 1-8巻セット (BUNCH COMICS)