有頂天家族2 #11 天狗の血 阿呆の血

偽呉一郎は夷川早雲であった。
早雲は天満屋と組んで狸芝居を打ち、呉一郎に成り替わるとドイツ製空気銃を矢四郎の実験室に隠して下鴨一族に早雲殺しの濡れ衣を被せようとした。矢一郎はここで争ってる暇はないと、偽右衛門を辞退して金曜倶楽部の手に落ちた矢三郎救出に向かう。
しかし、下鴨一族の陰謀の証拠であるはずの空気銃は、天満屋から買い取った偽物だった。そこに四国から偽叡山電車で駆けつけた呉一郎が乗り込んできて、偽呉一郎の正体を暴く。一方ぽんぽこ仮面に扮した淀川教授は金曜倶楽部の宴席会場である3階建電車に忍び込み、矢三郎たちを助け出すが、たちまち見つかって大乱戦となる。京都の空を飛ぶ3階建電車の中で、空気銃を振り回す天満屋に、虎となって飛び込んできた矢一郎と玉蘭も加わって大騒ぎ。
全て伏線が繋がってクライマックスに盛り上がっていく快感。
狸姿の矢三郎に、あなたを食べてしまうのよ、と言いつつ流す弁天の涙は、矢三郎のための涙なのか、人と狸の超えがたい溝を思っての涙なのか、なかなか底を見せないヒロインです。