ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」

ビビりなエースと、配給マニアの黒いキャッチャーのコンビで勝ち抜く高校野球マンガ。いかにも体育会系男子高校生、な感じがリアル。前巻は2016年7月発売だから、1年ぶり以上だ。
28巻はメンタルトレーニングの話を詳しくやって、市大会決勝リーグ第1回戦が始まったとこまで。試合終わるまでに何年かかるんだろう。
試合中は、1球投げるのでもバッテリー間のやりとりがあって、対する打者の思惑があって、下手すると攻守双方のベンチや監督の思惑も語られて、それぞれ予想が当たったり外れたり、やりたいことがうまくハマったりいかなかったりという勝負の妙が描写されるから、見所がいちいちわかりやすくて盛り上がるんだけど、そのぶん話はドンドン長くなる。
試合のない時は練習のエピソードが入るんだけど、それもまた詳しく具体的で、最近の他のスポーツマンガってあまり知らないからかもしれないけど、しっかりページとって練習場面の細かいリアリティ意識してるのってなかなか無いんじゃないだろうか。
この巻でも、心理テストの結果のグラフとかチーム全員一人ずつ、しっかり作り込んでるし。漫画家だったらこのくらいキャラに入り込めるもんなのか。