リンダ・デイヴィス『蛇の巣」Nest of Vipers

蛇の巣 (Hayakawa novels)

蛇の巣 (Hayakawa novels)

美貌の為替ディーラー、セーラはイングランド銀行総裁の密命をうけて、インサイダー取引疑惑のある銀行の内部調査を行うことになった。 しかし、その裏には麻薬をめぐる国際的な謀略が隠れていた。 後半の展開は派手で、金融ミステリというよりは金融業界を舞台にしたスパイアクションといった感じ。登場する組織がCIAやKGBでは なく、G7各国の中央銀行とかだったりするのがご愛敬。主人公も民間のディーラーだから、使命よりは自分の利害を優先する。いかに謀略 を阻止するかではなくて、巻き込まれたもめごとからいかに利益を手にして逃げるかが重要。荒さが目立つが、映画の原作にするにはいいだろう。