名門
投資銀行の元パートナーで
M&A専門家であった主人公ファルコンが依頼された史上最大の企業買収の裏に隠された巨大な陰謀とは。 書評でグリシャムが引き合いに出されるのも伊達ではない。著者の実体験を生かした企業買収の場面は迫真の出来。描写も丹念だが一気に読 ませる。文中にはさまれる専門用語の解説も適切だと思ったが、知らない読者が読んでどう思うのかまでは判断がつきかねる。 ただ、悪の
投資銀行家と
リベラリストの大統領が戦って、でも最後に勝つのは主人公という、なんだか都合のよい結末の強引な展開が気にかかる。主人公も
投資銀行家なんだけど、悪でも正義でもリベラルでもない、タフで抜け目がない
投資銀行家なんだね。