ひぐらしのなく頃に #26 罪滅し編 其の伍 リテイク

最終回。悪夢というのは何度も繰り返されるから悪夢なんだ、というのをどっかで聞いたな。
雛見沢分校に鉈を下げて乗込んできたレナは生徒を人質にして警察に園崎家への一斉捜索を要求する。オヤシロ様の祟りは寄生虫型宇宙人の侵略、というのはレナの妄想の扱いなのか。ウジ虫みたいなんは、ホントのウジ虫?もはやなにがアリでなにがアリじゃないのかよくわかりません。最後のヤマ場が屋根の上での一騎討ちというのもムチャクチャですが、このアニメなら全然オーケーなような。派手に光をきらめかせて、作画もいい具合に走ってるし。狂気と理性の間をゆれ動き、上がったり沈んだり感情の大波にもまれるレナを演じきった中原麻衣もGJ。
結局ナゾのほとんどは残ったまま。エピローグで今度は梨花が大石さんの車に呼び出されるパターンがあることを見せて終わりだった。梨花の中に封じ込められて何度も何度も繰り返しやり直しをさせられている、呪われた魂の物語ということなんでしょうか。普通は梨花を主人公にして、物語の構図を早い段階で、あるいは遅くとも中盤くらいでは解き明かすんじゃないかと思う。最後まで暗示に留めて、視聴者を繰り返しの中に閉じ込めてしまったのはずいぶん大胆な試みだった。エヴァ以降、謎で引っ張る物語は掃いて捨てるほど出たけど、こういうのはなかったように思う。
萌えとグロの組み合わせも、エルフェンリート見たときは媚が目立つだけの悪趣味だと思ったけれど、ひぐらしでは見事に互いに呼応して共に際立たせることに成功していた。個々のエピソードごとに見れば展開が唐突だったり無理が多かったようにも思ったけれど、この独特の世界にはハマりました。誤解が疑心暗鬼をよび、狂気が暴走していくさまを繰り返し見せつけて、最後に信頼と受容にたどり着くけれど、それすらも一部の解決でしかない。5段階評価なら、「名作」かな、かな?