Do Da Dancin'! (8) 槇村さとる /集英社

ISBN:4088646061
クラシックもののバレエマンガでヒロインの名前が鯛子、ってのもすごいんですが。しっかりした顎の線と、少女マンガのキャラとしては大きな口が印象的な顔立ちで意志の強さを示し、背の高さと舞台映えのする派手な造作、気の強い性格と、実力で世界のライバルと伍していける設定になってる。でも、下町の魚屋のきさくな娘で、名前は鯛子。このバランスがなにより魅力的。
バレエシーンとか、とにかく全身を見せるカットが多いんで、コマも縦長のコマが多い。夏目房之介によれば、縦長のコマは視線の移動を止めるということなんだけれども。デッサンというか、バレリーナの身体がしっかり動いて、踊って、うまく視線の流れを支えている。
物怖じしない主人公と、うまく互いに補完し合って助けてくれる二人の男、というのは典型的な槙村マンガなんだけれど、思いっきりメハリをきかせたヒロインのキャラで、ずいぶん味わいの違いがでています。かなり強敵そうな「意地悪なライバル」もでてきて、お話の方もドンドン盛り上がってます。