GUNSLINGER GIRL 4

GUNSLINGER GIRL 4 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 4 (電撃コミックス)

正直言って相原裕の絵は、マンガとしてはあんまり上手くない。構図によって妙に平板だったりするし、主要人物はともかく脇役になると顔の見分けがつかなかったりもする。でも、このもどかしい距離感ののこる絵柄も含めて、全体でガンスリなわけで、この静で淡々とした世界は他では得難い。
4巻のエピソードは、泣きたくても涙が出ないクラエスで始まり、夢を見ながら涙をこぼすトリエラで終わる。事物の記憶は喪われていても、それにつながっていた感情の痕跡は残り、名付けようのない遣る瀬なさと夢の涙となる。そこにジョゼとヒルシャーの、回想が重なる。義体たちとは違い、二人の記憶は自分の現在を説明する根拠になっている。ジョゼはヘンリエッタに亡くなった妹を重ねることを怖れて壁をつくっていたけれども、敢えてそこから一歩踏み出したようです。