攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG #25 憂国への帰還

選択の余地を失った少佐はクゼの「革命」に乗る形でタチコマに難民300万人分の記憶のコピー支援を命じるが、ゴースト保持に懸念を抱くタチコマAIは命令を無視して別の手段を選ぶ。それは衛星を操りミサイルの軌道上の障害物とする案だったが、それにはタチコマAIの収容された衛星も含まれていた。BGMで流れ出すinner universeが逃れられない不吉な運命が迫っているような予感をおぼえる。
ついに発射された核ミサイル。無音となった画面にしだいにフェードインしてくるタチコマの合唱。タチコマAIの収容された衛星は大気圏に突入し、火の玉となってミサイルを直撃する。「手の平を太陽に」が電脳空間に響き渡り、不意に消える。
えっと、前のS.A.C.でもタチコマに泣かされて、今度もまた同じ手をくらってしまったわけですが。でも、楽しそうに合唱してるタチコマを見たらもう、クゼと少佐が抱き合ってる一方でバトーが必死に少佐を捜してるのとか、みんなふっとんでしまいました。
Bパートはゴーダと官房長官のクーデターに対する9課と総理の巻き返し。原潜の乗組員が言う「八一軍旗」とは、毛沢東が掲げた人民解放軍の旗ですね。茅葺総理が中国に援助を要請することを、ゴーダは期待し、荒巻課長は懸念したということなんでしょう。茅葺総理のスピーチだけでほとんど説明なかったけど。
バトーが背負った鉄骨が十字架だったことを考えると、説明のないまま意味深に描かれたリンゴは失楽園のリンゴなんでしょう。リンゴをかじったクゼが死んだ、またはネットにシフトしたってことは、肉体を持つ人間の住む現世が神の楽園ってこと?
最後は花見でコミックス1巻冒頭につなげて終わり。濃い最終回でした。時間変更でかみちゅに重ねたのが唯一の難点。