GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- #8 クラエスの一日

スカボロフェアはサイモンとガーファンクルの歌で有名になったけれど、もともとはイギリスの古いバラードです。海と浜の間の土地がほしいとか、羊の角で耕して皮の鎌で刈り取れとか無茶なことを言ってるわけですが、その大元がスコットランドの古いバラッド「妖精の騎士」エルフィンナイトだそうです。エルフィンナイト - Wikipedia
ちなみにクラエスが朝、食堂に行く時に抱えてた本のタイトルがThe Elifin Knightでした。
クラエスの中には、かつてフラテッロだったラバロとの思い出が残っています。それは湖沼の風景であったり、庭いじりへの興味であったり、さまざまな印象の断片です。それらはクラエスの現在を形作っていますが、記憶の上書きによってばらばらにされ、意味のあるつながりを持ちません。だからクラエスには、なぜハーブを育てているのか説明することができないのです。「泣きたくても涙が出ない」気分になるのは、それは現在のクラエスにとって意味をなさない過去の感情の痕跡だからです。
ナンセンスな歌詞が失われた恋の切なさにつながるスカボロフェアが、失われた記憶の痕跡から形作られたクラエスの現在に重なります。