ARIA The ORIGINATION #13 その 新しいはじまりに…

最終回。アリシアさんの引退と灯里の新しい出発。
アバンからAパート、CMはさまず通しで灯里の心情を追います。アリシアさん引退のニュースで周囲が大騒ぎする中でいつも通りの灯里。目の前の変化から目をそらしてたんですね。ふと一人になったときにどうしようもない不安があふれだして、涙がとまらなくなってしまいます。でも、実はアリシアさんもおなじでした。灯里と一緒のアリアカンパニーの日々が愛おしくて、プリマ昇格試験を先延ばしにしていたのです。アリスと藍華の昇格が決まり、物事が動き出しているのを知って、心を決めたのでしょう。そして灯里も、この先の未来に進むために、笑顔で変化を受け入れようとするのでした。
しかし暁さんからの電話の応対も「本当です」プチって、アリスもびっくりな無愛想さですが。
後半はプリマになった灯里の順調なすべり出しと、アリシアさんの引退セレモニー。協会のウンディーネたちやたくさんの人たちに見守られながらアリシアさんがオールを灯里に手渡すというだけのものですが、厳かで情感あふれるいいセレモニーでした。原作だとセレモニーの場面は無しで、Aパートのラストがお別れのシーンになるんですが、オリジナルシーンで入れたアニメの方も別れを昇華させるセレモニーの効用を実感させる構成でよい最終回になりました。
エピローグは各キャラたちのその後で、最後にアリアカンパニーに入社したアイちゃんを見つめる灯里にアリシアさんが重なってエンド。一つのおわりが新しいはじまりになっていくところをあざやかに表現して有終の美を飾ったと言えるでしょう。
ARIAのテーマは人から人へと伝わっていくメッセージ=想い、ということで街並も運河もまたそれを作った人や使っている人住んでいる人の想いがこめられたものとして描かれる。だから四季様々な風景を見せても、人の手の入らないような自然は出てこない。これまでのシリーズは灯里が案内役で、取り巻くまわりの人たちを見せていったけれど、今期は灯里自身の物語に入っていってアリシアさんからアリアカンパニーを受け継ぐことで思いを伝えていくところまでを描いた。灯里たちが変わっていくことで、逆に変わらずにそこにあるものを浮かび上がらせた。
アリスの昇格から後の盛り上がりはすごかったです。終わらせ方も完璧でした。