Fate/Zero #22 この世全ての悪

ウェイバーの下宿先の老夫婦って、回想回を除けば、聖杯戦争と関係ない唯一の一般人キャラでは。じいさんも、関わったのがウェイバー以外だったら、とばっちりで殺されてたんだろうなあ。ということで、ウェイバー・ライダー組の真っ当さがよく出たエピソードでした。令呪による縛りを捨てて、友として最後の戦いに向かうとか、王道の燃える展開だし。
一方で主人公のキリツグ・セイバー組は、アイリもマイヤもいなくなってもはやとりつくシマもない様子。困ったもんだ。
閑話休題。前半、屋根の上でじいさんが、命と秤にかけるほどのものはない、というようなことを言う。まあ、その年まで生きてきたということは死を選択せずにきた、ということだから、その選択を肯定するということではある。まあ実際に、渦中にいるときは命より重く思えたことでも、後から振り返れば時間とともに薄まってしまっているということは往々にしてある。でも、何物にも代え難く思えた輝きが儚く消えていくのは寂しい。その寂しさを知った上でなお、今のこの気持ちを信じるということはなかなかに困難なこと。そうした老人の述懐に呼応するのがまだその切なさを知らない千反田えるの、即時に殉じる情熱ということで、氷菓につなげてみた。