思い出のマーニー

宮崎さんっぽくも、高畑さんっぽくもないジブリジブリの若い監督って、宮崎さんより宮崎アニメっぽい映画を撮っちゃったりするけれど、これはそんなことなかった。まあ「海が聞こえる」ってのもあったけど。夏の北海道の湿原が、涼しそうで気持ち良さそうだった。
半世紀前のイギリス児童文学を現代の日本に舞台を持ってきた翻案もので、どうせなら徹底して日本の話にしてもよかった。昔の翻訳小説が醸し出す、外国への憧れの部分を残したかったのかなあ。話の展開は、長い小説を短くまとめた、という感じが残ったけど、ちゃんと一つの映画としてまとまってて手際がいいね。最後の方に出てくる古い写真が、長い年月をかけて積もっていった想いと、流れた歳月そのものを凝縮した表現になっていて、いきなり秘孔を突かれた感じだった。
一言だけセリフのある十一はともかく、全体に男の存在感が薄い映画でした。それで主人公の杏奈がボーイッシュだし。まあガチユリと言われても仕方ない気はする。
そういえば、「永久に二人だけの秘密」って約束はどうなったの。杏奈しゃべりまくってませんか。