香月美夜「本好きの下克上」

WEBサイト「小説家になろう」で現在も更新中の異世界ファンタジー。夢中になる面白さ。本好きな主人公が本が貴重な写本しかない世界に転生してしまったので、本に囲まれる生活を夢見て紙作りから始める話、というなんじゃそりゃな紹介は全然間違ってないんだけど、その紹介文から想像するような小説とは全く違う。これまで読んだことのないような種類の壮大な大長編
いわゆる転生チート物だけど、最初は中世ヨーロッパを思わせる城塞都市の中で暮らす平民の日常系ストーリーで始まる。現代日本の読書家の女子大生の転生先がちょっと目を離すと「思いも寄らない理由で勝手に死にかけてる」くらい虚弱で寝込んでばかりいる幼女、という設定をうまく使って、違和感なく異世界の日常生活を読者に体験させる。
実はその世界は魔法や神様が実在して世界を動かしてるんだけど、平民の生活には直接関わってこない。だから最初は全然出てこない。せいぜい下拵えしないと暴れ出す不思議野菜とかキノコとかがあるよ、というくらい。でもじわじわと舞台が広がっていって、少しずつ見えてくる。その広げ方も、日常系のペースのままゆっくり広げていくし、ドラマ作りが上手でダレないから、異世界にどっぷりと心ゆくまで浸れる。
そもそも主人公の言う「本に囲まれた生活」は、本を書く人が沢山いて、いろんな本がどんどん流通する市場があって成立するので、そのバックグラウンドごと作り上げなくてはならない。これはもう、世界を変えるということにならざるを得ない。それを日常描写を積み重ねて描いていくんだから、大長編小説になるのも当然。商品としてパッケージするなら、エピソードを切り詰めて四分の一とか五分の一に圧縮するんだと思うけど、作者が描きたいだけ書いて、それを全部読めるというのはWEB媒体ならではだろう。書籍販が9冊出てるけど、まだWEBで公開されてる分の三分の一くらい。完結したらどこまで長くなるのやら。グイン・サーガクラスではないか。延々と長いけれど、世界を動かす中心に向かって常に話が進んでいくので、途中でダレたり迷走したりすることもない。日常描写を積み重ねているので、話がどんどん大きくなっていって登場キャラがどんどん増えていっても、それぞれのキャラに焦点を合わせると、それぞれの視点で日常的なドラマが広げられる。こういうスケーラブルな小説って、あまり読んだことがない。
第一部 兵士の娘

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第二部 神殿の巫女見習い

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第三部 領主の養女

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