大月悠祐子「ど根性ガエルの娘」

ど根性ガエルの娘 4 (ヤングアニマルコミックス)

ど根性ガエルの娘 4 (ヤングアニマルコミックス)

吉沢やすみの娘が書いた壮絶な家族の記録。家族の崩壊と再生の物語という予定調和的な美談を自らひっくり返して、家族の抱え込んだ傷口へとさらに潜っていく。その先には、作者自身の傷が開いている。帯に「父に突きつけた、これは娘からの果たし状」という手塚るみ子の讃がついてるけど、まさに吉沢やすみ作家性と大月悠祐子作家性が激突している。日本の純文だと島尾敏雄とか私小説作家がいるけど、これはそういう系譜に連なる私小説マンガなんだろう。ただ日本の私小説って自然主義文学から出てきたらしいけど、大月悠祐子はむしろ大島弓子とか、精神分析的な少女マンガから出てきたのではないか。
ど根性ガエルの娘 1 (ヤングアニマルコミックス)
ど根性ガエルの娘 2 (ヤングアニマルコミックス)
ど根性ガエルの娘 3 (ヤングアニマルコミックス)

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