GUNSLINGER GIRL

生まれでた感情は全て存在する。それが救いなのだ。
限界的な状況で実存が屹立するというとなんだかサルトル的な話だけれど、陰惨さを隠さないこのアニメシリーズは、最後に視聴者への救いを残して終わった。嵐の前の静けさというか、次に続く恐るべき悲劇を暗示するようなどこか寒々とした救いではあったけれども。
原作冒頭にあった、ヘンリエッタと砂糖のエピソードは義体の不完全性を象徴するにとどまっていたけれど、アンジェリカの不調と並べて挿入されるとはっきりと死の暗示となる。天人五衰ならぬ義体五衰か。一度全てを失った少女たちは義体として甦ることで、再びあらゆるものを失っていく過程を体験させられることになるのだ。しかしそれでも、救いは神ではなく、人間が存在することそのものの内にあるのである。ああ、これはまったくロマン主義だよなあ。

さて、R.O.D一時間は明日にしよう。こっちもなんだか重たそうだし。