イノセンス

絵も音も完璧で、おまけに面白いじゃないの。押井監督が喋りまくってるけれど、たしかに凡百のCGアニメとは画面の完成度が違う。これは劇場で、しかもドルビーサラウンドEXで観ないと後悔する類いの映画だ。とにかく一人の作家の創る世界を今望みうる最高の技術で追体験できるんだから。アヴァロン見て、CGは押井作品にマッチするなあと思ったけれど、それをアニメに持ち込むとここまでスゴイ。
たしかに全編押井守だし、最初に出て来る女性検死官がいきなり押井節をカマしてきたりするけど、物語は一本線だし、要所にはさまれるアクションをアクセントにみたこともないイメージを眺めてくだけでも十分料金分楽しんでお釣りがくるだろう。OPは前作同様義体の製造工程なんだけど、イメージの作り方が全然違ってびっくり。舞台はブレードランナー風だったりメトロポリス風だったりいろいろするけれど、ここまで作り込まなきゃ世界は出来ないというオーラに幻惑されて酔いっぱなし。最後の電脳対決の見せ方も新しい工夫が面白かった。
とりあえずファーストインプレッションを吐き出してみました。あと、みんな目がこわいです。表情のない死んだような目も、妙に綺麗に澄んだ人形の目も。唯一全身で感情を表現しまくるバセットハウンドがやたらとかわいい。

あ、あとパンフレットに載ってる「押井・談」で引き合いに出されてる声優を評価しない「あの男」って……立花隆とか使いたがるあの人のことでしょうか。劇場公開用パンフレットで敢えて言うんですね。