アニメ調査室第7回2008年冬調査

http://anime-research.seesaa.net/article/72984860.html
今期は最初から絞っていて、見切りはありませんでした。

調査票

2008冬調査(2007/10-12月期、終了アニメ、20+6作品)

01,もやしもん,C
02,電脳コイル,A
03,げんしけん2,A
04,バッカーノ!,x
05,まめうしくん,x
06,こどものじかん,B
07,スカイガールズ,x
08,プリズム・アーク,x
09,流星のロックマン,x
10,みなみけ(童夢版),x
11,Myself ; Yourself,x
12,ご愁傷さま二ノ宮くん,x
13,一期一会 恋バナ友バナ,x
14,D.C.II -ダ・カーポII-,x
15,BLUE DROP -天使達の戯曲-,x
16,ef - a tale of memories.,A
17,レ・ミゼラブル 少女コゼット,x
18,スケッチブック -full color's-,x
19,ナイトウィザード The ANIMATION,x
20,MOONLIGHT MILE 2ndシーズン -Touch down-,x

(以下、注意)
21,GR -GIANT ROBO-(地上波初放送),x
22,シュガーバニーズ(9月終了),x
23,最終試験くじら(NET配信),x
24,ひだまりスケッチ 特別編,x
25,ああっ女神さまっ 闘う翼,x

(どちらか、1つのみに記入し、もう一方は、xと回答して下さい)
26,ひぐらしのなく頃に解(全話放送),B
27,ひぐらしのなく頃に解(打ち切り地域),x





{追加評価}(自由記入、過去参加者のみ)

{総評、寸評など}(自由記入、引用する場合あり)

もやしもん

いくつもの可能性の未来の象徴としての魔法、というのはぴえろ魔法少女シリーズの一つの到達点ではあるけれど、それを男子大学生でやってみましたという感じ。
菌が見える、という突拍子もない設定とか、いきなりゴスロリ少女になる親友とか、はじけまくった仕掛けをお話がうまく活かしきれていないまま終わった気がします。オリゼーとかの菌キャラがこれだけ立ちまくってるのに話には全然からませない、というのは英断だったと思うんだけど、肝心の本筋がどうもパッとしなかった。実写風景の中で菌がぽやぽやしてるOPがすべてのような気がする。

電脳コイル

ヤサコが走るときはずっとデンスケを探し、キョウコを追いかけてるときだった。だからこそ、コイルドメインで初めてヤサコがデンスケの温もりを感じられた最後の別れのシーンが胸に迫った。
そのヤサコがイサコのために走ることがクライマックスになるのだけれど、そこの切り替えがうまくいってないようだった。4423の謎で引っ張っていく構成はいいんだけど、ヤサコの過去話とか引っ張り過ぎだったんじゃないでしょうか。21話でイサコがいじめにあって孤立したところで、金沢時代のエピソードを絡ませて二人の関係をふくらませていけばもっとラストが盛り上がったのに。謎と伏線の整理で話数が足りなくなってとばされたのかもしれません。後半、どんどん話が大きくなって、フミエやダイチがついていけず、メガばあや玉子オバチャンに頼らざるをえなくなっていったのもさみしかった。
と、文句ばかり書いてしまいましたが、充分面白かったっす。一つひとつのエピソードは質が高いし、作画も高水準で安定してました。とにかく走り回るアクションは見てて気持ちよかったし、メガネだのサッチーだの出てくるガジェットも魅力的。子供たちの電脳バトルとちょっと懐かしい風景の組合せとか、後半のホラーな雰囲気とか世界の設定がなにより秀逸でした。

げんしけん2

ほとんど荻上さんのためのシリーズでした。ツンデレ、と言うより方言萌えかなあ。
今期は細かいエピソードを積み上げて生々しいリアルな情感を出すことに成功していて、それがうまく笹原の成長を描いているんだけど、鬱展開で追いつめていくネチこい演出の後だけに編集プロダクションの新卒応募に偶然行き当たる最後のラッキーさには違和感を覚えてしまった。

こどものじかん

レイジと秋の出会いと別れを描いた6話は演出が冴え渡った屈指の名エピソードです。
終戦直後の墨塗り教科書かよ、というくらいの今時珍しい修正バリバリだっただけに、参考評価扱いでもいいくらいだと思います。そもそも修正しまくって全年齢向けって、無理だったのでは。なんだかセリフを刈り込んで無害に見せようという規制そのものが、りんの戦っている敵のように見えました。
子供の気持ちを丁寧に拾っていくんだけれども、子供の悪意は子供同士には向かわずあくまで信頼関係を軸に描かれていく。それだけに心理的な葛藤とか抑圧の表現として異常行動をもってくる脚本は安易に思えた。青木先生とりんとの関係と対比させるうえで、レイジとりんの互いに依存し合う関係をわかりやすい形で見せたということなんだろうけれども。

ef - a tale of memories.

記憶障害の少女、というインパクトある設定で、いろいろ深読みしてみたけれど、そんなことは関係なくラブストーリーとしてキレイに終わらせました。やはりインパクトの強い新房演出が、うまくハッタリとして機能してたんだなあ。OPも含めて強烈な印象を残すシーンがいくつもあり、今期一番はまったアニメです。放送中の感想日記は終わってから見ると的外れなことばかり書いてましたけれども。
でも、涙って蹴散らすもんじゃないよなあ、やっぱり。

ひぐらしのなく頃に解

悪い偶然が重なると面白いのに、いい偶然が重なるとどうしてもテンションが下がってしまう。諦めない勇気と信頼が解決をもたらす皆殺し編の沙都子救出は、これまでの惨劇エピソードの積み重ねとの対比で盛り上がっただけに、どんどん話が大きくなってった祭囃し編は、助っ人が次々と都合良く登場する展開で、ラスボスの鷹野三四もいきなり腰砕けになるし、見ていてつらかった。結局なにがなんだかわけもわからなかった鬼隠し編が一番面白かったような。