九井諒子「竜のかわいい七つの子」

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

短編集。満月の頃、狼に変身する奇病というか体質の人が存在する世界の話とか、作者お得意のネタです。狼男ネタというと桑田乃梨子の犬神くんシリーズとかあるけど、持ち味はけっこう違うな。桑田乃梨子はちょっと間抜けなほのぼの路線で、九井諒子は皮肉が混じる。狼男の育児、というと「おおかみこどもの雨と雪」もそうだったけど、こちらは普通に「変わった体質」扱いで、狼男保育の支援組織とかもあったりして、あくまで日常の中の出来事として展開していく。ネタはファンタジーで、手法はSFで、ストーリーは日常系という取り合わせが面白い。
あと、なんの訳にも立ちそうもない超能力が絶体絶命のピンチを救う話とか、ちょっとひねったアイデアが楽しい。