マーシャル・ジェボンズ「経済学殺人事件」

「経済学殺人事件」マーシャル・ジェボンズ（日経ビジネス文庫）ISBN:4532192137

経済学殺人事件 日経ビジネス人文庫

経済学が前提とする経済合理的な人間がそのままキャラクター化されたスピアマン教授。キャラ萌え小説に慣れた眼で見るとずいぶん地味ですが、デパートの売り場でたれる蘊蓄が経済学の解説なのであまりハデにもできないでしょう。すべて情報は読者に提示されて、たしかに推理小説としてもフェアなんですけれど、推理とか捜査はないです。全体に自制がきいていて、軽く読める経済学読本くらいのつもりで読めば、かなり満足できます。