BSアニメ夜話 劇場版少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録

特別ゲストは榎戸洋司、語る語る。お姫さまになれなかった女の子は魔女になる、というのはテレビシリーズの中でも出てましたが、魔女ってのは自分を守るために男性の力を間接的に行使する女性なんだそうです。なんか最近長谷川眞也キャラ使って、魔女なのに少女でお姫さまってアニメがあったような気もしましたけれど。
恋愛の形態が社会を規定し、既存の恋愛観を解体することで世界が変貌していくことが少女革命。忘却の旋律は「世界を貫く矢のように」だったし、性を超えて凛々しさが屹立するのが榎戸世界。
テレビシリーズの放映中も幾原監督自身けっこう謎解きを語ってて、作品外での説明を避けないというのが新鮮でした。
あとおいしかった発言をピックアップ。
この不条理な世界は最後に外に出て行った人の心象風景。
劇場版で「ウテナが車になる」というのが監督のアイデア。それを聞いてテレビシリーズでノッていたスタッフは、ツッこむどころか思わず納得してしまった。そこでスタッフに納得させちゃったのが「謎」そのものが持つ魅力だったんだと思うけれども。そのあたりの言及はなかった。
森川嘉一朗の、クライマックスのハイウェイはディズニーランドのある舞浜の風景という指摘は鋭かった。
高見恭子ウテナを見ながら男はダサいんだよと娘を教育してた。なんか西原マンガを地でいってるような。
「気になるシーン」で小谷真理が選んだのは一番エロいシーン。決闘に勝ったウテナの部屋にアンシーがやってくるとこですね。榎戸さんが、よくぞ選んでくれたと喜んでました。雰囲気盛り上げて、すっとカメラ外して、オフで思わせぶりなセリフが入るというのはわりとある手法だけど、そこで入れられるカットがナイトスタンド。カチッてスイッチの音をさせて暗くなったり明るくなったりする。それにあわせて場面もガチャリガチャリと切り替わる。ああいう情感を敢えてブツ切りにするようなとこがウテナの特徴的な演出だった。