狼と香辛料 #4 狼と無力な相棒

ゼーレンの裏を探るため、ロレンスは毛皮を売った商会に話を持ち込む。裏にいるのはメディア商会、とわかったその夜、ロレンスたちは暴漢に襲われる。ホロとロレンスのやりとりは相変わらず面白い。弱さを見せるホロはちょっと人間くさい。
いきなりホロの正体がバレるってことは、逆に言えばまだ信仰が生きているってことだよな。畏れはしないが存在は信じる程度に。神様というより精霊くらいの扱いなのかな。これまでの神さびたところが消えてちょっと微妙な設定のような気がする。
信用によって実際に含有している金や銀の価値以上の価値を持つ貨幣であれば、含有量の変化以上に価値が変動するというのはわかる。信用が低下することで、銀の含有量が減った新銀貨と一緒に元々の旧銀貨も価値が下がるということはあるだろう。
ただ、その「信用」とは具体的になんなのか。強制的に流通させられる勢力範囲外で通用する信用とは、経済力なんじゃないだろうか。その国の製品がすぐれている、豊かで農産物などが豊富にある、だからその国で通用する通貨を持っていれば便利だ、あるいはその国の商人が取引上優位に立てる、ということで価値が出るんじゃないだろうか。はやい話、一国が圧倒的な経済力をもっていれば、他の国の商人もその経済大国と取引できなければ大きな取引はできないわけで、当然その国の通貨が価値を持つ。ただ、そうなると含有量の差はあんまり問題ではなくなるだろう。ロレンスとホロの世界がそういう世界ではないとすると、ちょっとまだよくわからない。