カムイ外伝

なんかぽつんと立ってる枯れ木の枝の上で高笑いする忍者、ってのは確かに白土忍者マンガの定番ではあるよなあ。
ナレーションによる説明を多用したり、CGやわかりやすい説明的な構図を使って画で技の解説をしたり、白土三平の原作マンガを意識して再現しようとしてるのはわかるけれど、そんなことされてもなあ。白土三平の手法は、それまでの講談調で荒唐無稽だった忍者モノにリアリティを付加するためのものだったのに、現実の俳優と原題の映像技術でただそれをなぞるだけでは、ギャグにしかならないわけで。要するに監督は、このカムイ外伝の映画にリアルな説得力は必要ないと判断したわけでしょう。ただ、痛快時代劇として見ると、前半後半で話が分かれてるから中盤もたつくんですよね。
一応、スガルが亭主助けるために忍者の技を見せてしまったことで正体がバレてしまって後半につながる、という展開ではあるんだけれど、それをスガルが知ったときどう思った、という描写がぜんぜんないんだよね。どうもエピソードのウェイトがちぐはぐで流れを悪くしてる。