原尞「そして夜は甦る」

そして夜は甦る
お勧め度：BBB+

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))

前半はきっちりハードボイルドで、うまいなあとか思ってたんだけれど、読んでくうちにだんだんと違和感が…警察も証人も、容疑者も含めてみんな探偵に親切過ぎ！警察も、「嫌々」とか形容詞はくっついてるけど、実質的には全面協力だし、重要な手がかりを親切に教えてくれる人はいるし、探偵が関係者を集めて「さて、」とか言って推理を開陳すれば犯人は観念しちゃうし。ハードボイルドの探偵はもっといじめられてほしいっす。わたしの希望。
これ発表は１９８８年なんだけど、どうみても石原慎太郎がモデルの都知事が出てくるんだよね。石原さんがホントに都知事になっちゃったとき、作者はどう思ったんだろう。石原さんはこれ読んだんだろうか？なんか、そんなことばっかり気になりました。