ピーター・ストラウブ「ゴースト・ストーリー」

ゴースト・ストーリー
お勧め度:AA

悪魔の誘惑の話ですね。小さな田舎町の崩壊というと、どうしてもキングのいくつかの作品の印象から逃れられない。なんか章立てとか名前のセンスとかも、キングっぽいなあ。小野不由美屍鬼」は舞台を日本の田舎にもってきて徹底的にローカライズしてくれたからこそ味わえる雰囲気というものがあった。アメリカの田舎暮しのリアリティって、そもそもわたしにとっては小説の中で知ってるにすぎないもんだからねえ。でもそのへんの距離感があって、よくできたお話ですんでるようなとこがある。身近な舞台でこういう話をされると、かなりヤだな。いがらしみきおの「Sink」とか、居ても立ってもいられなくなるような無気味さがあるから。そういうえば、夜中に遠くどっかから流れてくるディキシーランドとかが怖いとこなんだけど、そこ読んで「ツィゴイネルワイゼン」の祭り囃子を思い出した。日本ではそうゆうのは狸囃子と言う。