おおかみこどもの雨と雪

見てきました。けっこう混んでた。これは素晴らしい、これまでの細田作品を超えた傑作!アニメファンにも、映画ファンにもお薦め。
一人の女性が恋をして、母となって、その子供たちがそれぞれ自分の足で人生を踏み出すまでを見事な映像美で描ききった傑作です。派手な物語の起伏や見せ場は影をひそめ、子育てに苦闘し、不慣れな田舎暮らしに苦労する主人公の日々が、淡々と描かれていきます。エピソード一つ一つをよく考えると苦難の連続のはずですが、敢えてそれを強調するような描き方はしません。キャラの心情を吐露説明するようなシーンも乏しいですが、丁寧な演出や、手書きとCGを融合させた見事な美術が、それを補ってあまりある情感を伝えています。
アップになった主人公の横顔の、下あごのわななくような動きだけで溢れんばかりの悲しみが痛いほどに伝わってくるカットとか、分かりやすいオーバーアクションを排した抑えた演出で、豊かな表現ができる細田作品の真骨頂が堪能できます。

(追記)
しかし、台風の夜に10歳の子供が行方不明になって、その後のフォローはどうしたんだろう。
いろいろ感想を見て回って、あちこち突っ込んでる人もいたけれど、そのことを気にしてる人は見当たらなかった。遠くの親戚に預けたとか、ごまかしたんだろうか。そんなの絶対不審がられるよねえ。行方不明だ、とか騒いで山狩りとかしたんだろうか。花の性格からすると無理があるように思う。わたし、気になります