ミスター・メルセデス

サイコパスの大量殺人犯と元刑事の対決を描いたスティーブン・キングのミステリ。丹念な日常描写を圧倒的な筆力で読ませ、読者をぐいぐい引っ張っていく読み味はいつもの通りながら、ホラーっぽい描写も非日常的なシーンもでてこない。銃の乱射や爆弾テロにいきなり巻き込まれかねない日常そのものが恐怖を孕んでいる現実を反映したのだろうか。登場人物もなんとなしポップなキャラ付けで、また少し作風変わったかと思ったら、同じキャラでシリーズ化したらしい。ちょうど今日が誕生日で69歳になったはずだけど、攻めまくってますね。本作の前に「11/22/63」「ドクター・スリープ」と初期長編と対になるような長編を出した後だし、一つの転回点となるのかも。
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