芝村裕吏「マージナル・オペレーション」

会社が潰れてニートになった30歳のオタク青年が民間軍事企業に就職して、傭兵となる。軍事シミュレーション・ゲームでは定評のある作者が本格的に挑んだミリタリー・アクション。負けないためには勝つことも厭わない、という主人公の設定がうまく気弱で優しげな性格と冷徹な戦術とを両立させて、かなり無茶な話も抵抗なく読まされます。風呂敷を広げすぎず、地味目な日常部分と爽快なタクティカルアクションシーンを丁寧に組み合わせた構成もいい。途中で止まらなくなるので一気読みがオススメ。導入部でのめり込んだ人は「エンダーのゲーム」とか読むと幸せになれるかも。
「まめたん分室」ともクロスオーバーしてるし、芝村近未来史的な設定に沿ってるシリーズなので、「セルフ・クラフト・ワールド」とも繋がってるんじゃないのかね。
エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)
エンダーのゲーム〔新訳版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)
コミックス版は6巻まで出てます。原作だと3巻の半ばあたりまでに相当します。

小説の2巻と3巻の間をつなぐ中編。主人公に従う少女戦士ジブリールの一人称小説です。芝村裕吏はやっぱり少女の一人称小説が嬉しい。アフガン、イランときな臭い地域を舞台に、堂々の冒険小説

それぞれ語り手を変えた短編集。本編エピソードを別視点から描いたものもあれば、本編後のエピソードもあります。セカンドシーズンにつながるのかも。
(追記)新シリーズ始動しました。
herecy8.hatenablog.com