戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで (新潮選書)
- 作者: 細谷雄一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/07/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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基本的な構図としては、日本が国際社会の潮流の変化を認識できず、その結果生まれた齟齬が不信感を産み、孤立主義へと傾斜していったという流れになっています。第一次大戦の戦禍に衝撃を受けたヨーロッパで生じた平和主義、人道主義と現実の利害との葛藤を偽善的な二枚舌と捉えたナイーブさが、国際感覚の欠如であり、ゲームのルールが変わりつつある中で従来のままの列強政治に参加しようとしたことで国際社会から孤立していくことになったというわけです。
まあ、今もまたゲームのルールが急速に変わりつつあるようだし、今読んで損のない本だと思う。