3月のライオン #37 白い嵐

僕の後を静かに、神様がついてくる。

桐山にとって宗谷名人との対局は、ただ無心に将棋に没入する稀有の体験だった。
帰りの新幹線で桐山は同じ列車に宗谷名人と乗り合わせるが、仙台駅で台風のために運行停止になってしまい、二人で一泊することになる。桐山は、宗谷の耳が聞こえてないことに気付く。
宗谷の超然とした様子が、耳が聞こえてないからだと知った後でも、やはり変わらず超然として見える。桐山の世話好きな面が発動して、特急券清算したり宿の手配したりとあれこれ始めて、ほぼマネージャー状態。宗谷名人は何も言わずに視線だけで誘導してて、なんか将棋を指すように台風にも対応してる。ホントに将棋の神様が人間界にやってきてるみたい。