マーベラス・ミセス・メイゼル

The Marvelous Mrs. Maisel 

1950年代のアメリカを舞台に、子持ちの主婦がコメディエンヌを目指す、アマゾンオリジナルのコメディ。明るく前向きな主人公ミッジのキャラクターと彼女を取り巻く騒々しい家族や友人たち、軽快にテンポ良く展開するドラマ、戦後の輝いてた頃のアメリカ、NYのシックでファッショナブルな光景、と見所満載で、とにかく面白い。当時の流行歌もドンドン流れます。NASAでの黒人女性差別が描かれた「ドリーム」(Hidden Figures)が1961年で、それ以前の、バリバリな男性社会で女性が社会進出し、自分の行き方を考えるという話でもあるんだけれど、それをとにかく笑えるコメディに仕立てました。なにしろミッジは美人でハイソな奥様だけど、得意なギャグは下ネタだし。

ミッジはユダヤ人で、ユダヤ人社会の付き合いや行事なんかもいっぱい出てきます。兄嫁は元キリスト教徒で、ユダヤ教徒になろうと頑張ってなんだか空回りしてたりとか。

ミッジの才能に惚れ込んでマネージャーになるスージーはワーキングクラスの苦労人で、なにかと衝突してはケンカになる、いいコンビ。

ミッジはやり手のビジネスマンの奥さんで、アッパーウェストサイドの広いマンションに住んでます。金持ちなんです。子供が二人いて、夫婦の趣味がスタンダップコメディ、つまり酒場のステージで、マイク片手にマシンガントークでジョークを連発するアメリカ風の漫談です。旦那のジョールは下手の横好きで、仕事が終わるとコーヒーハウスのステージに立つ。ミッジは彼のためにステージの枠を取ってきたり、ネタのアドバイスをしたりしてる。でも彼女は自分たちの結婚式で花嫁なのに一人で喋り捲り、客をドッカンドッカン笑わせてた、という人で、実は彼女の方が才能あるんです。ジョールがスベって散々なステージになったある晩、ついに二人は大喧嘩してしまいます。ジョールは浮気相手の秘書のところに行ってしまい、いきなり捨てられたミッジは大ショック。ワインをがぶ飲みして、気がつけばジョールが通っていたコーヒーハウスに来てました。酔った勢いで勝手にステージに上がると、自分をネタにしたジョークを喋り出す。これが大ウケで止まらなくなり、ドンドン際どい下ネタへ。最後は警官がステージに乱入してきて逮捕されてしまいます。そういう時代だったんです。まあ、そんなわけで彼女の人生は一夜にして一変したわけです。

 現在シーズン2までアマゾンプライムで配信されてます。