「下妻物語」嶽本野ばら 小学館文庫

下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん (小学館文庫)
映画の勢いで、原作も読みました。原作の怪しげなお嬢様言葉の饒舌を損なわずにうまく映画化したんだなあと今さらのように感心。ロリータファッションとヤンキーのファンッションを並べて細かく描写してるばかりでなく、かなり説明的な描写が多いのに気にならずドンドン読めるのは、文章のセンスがいいんだろうなあ。とにかくロリータちゃんのキャラが立った段階で、勝ったも同然なんだけれども。自分で決めたルールだけを守り、孤独を求めて連帯を怖れないってハードボイルドだよな。それを渋谷だの池袋じゃなくって下妻でやっちゃうんだからすごい。
映画と原作を比べると、前半はほとんどそのままだけど後半は映画の方は原作をかなり整理してた。BABYの社長が仕事より友達をとりなさいってカッコよくきめるとこは原作にはありませんでした。フカキョンが原チャリをぶん投げるってのも見たかった気がするがさすがに絵にしちゃうとウソくさくなるか。