「ぼくらの」 #24 物語

いろいろと物議をかもしたこのアニメもいよいよ最終回。とりあえずアニメ化で一番ワリを食ったのは、田中さんたち防衛軍コンビだったと思った。
ウシロは父親の学校を戦闘に巻き込まないように、ジアースのコクピットに籠って敵を待つ。パンとか持ち込んでたけどトイレ設備なさそうだなあ。なんか行動がいちいち行き当たりばったりで誰もフォローしないのがなんとも。
最後のバトルは30時間かかったけど単調などつきあいで、むしろ戦い慣れしてない同士がただ必死で殴り合うばかりの救いのなさが悲壮ではありました。まあそもそも巨大ロボの格闘戦とかそんなに描きたいわけでもなかったんでしょうねえ。ウシロがこれまでのみんなの戦いを思い出しながら頑張るとこはよかったです、最終回っぽくて。
絵に描いたような悪役の黒幕氏も出なくなっちゃったし、結局ジャマしてるだけだった「大人たち」もただ見守るだけで、背景になっちゃってました。見物してる防衛軍司令部に地球の命運がかかってるという悲壮感がどこにも見えないのは、達観してるというより無責任としか思えないなあ。結局全編通して取り乱したのって一人だけだったねえ。
最後は、生き残ったカナがダイチの兄弟たちと出会って、15人のぼくらの物語を語り継ぐというエンド。神話にして終わっちゃったよ。これってファンタジーだったのか。

特に原作が好きなわけでもないので、「こんな人間いないだろ」でチズ編を中心に大幅改変したのは面白いと思った。極端な設定や極端な思想を持ち込んで思考実験みたいなことしなくてもドラマは作れるし、その方が説得力があるんだという監督の意向は共感できる。でも、そもそも作品世界そのものが極端な設定で出来上がってるからなあ。木に竹を接いだような感じは拭いきれませんでした。