とらドラ! 24話「告白」

あらためて「とらドラ!」24話感想。
ダイナミックな作画も効果的なみのりダッシュから人生を語っちゃうあーみんとの絡みまで、ずっとみのりんのターン。

つらかったり、苦しかったり泣いたりを誰かがみててくれるっていうのは、報われるもんだね

鉄の意志で漢を演じつづけた櫛枝実乃梨が、竜児と大河が帰った後、川嶋亜美の前で泣き崩れる。亜美にそれは大河を竜児にとられた涙か、ときかれてわからないと答える。「少女革命ウテナ」の主人公は王子様になりたかった女の子だったけど、実乃梨も大河を救う王子様になりたかったんだろうか。彼女が「見えているもの」だと言った「意地」とは、女でしかない自分を超えたいという意志で、だからこそ大河を救いたいと思った。その結果失敗したのが1年前で、だから竜児を引き込んだ。しかし一方で、彼女は女として竜児が好きになっている自分にも気がついた。自分を傲慢だ、と言うのは大河のために譲ろうと考えたからなのか、女であることを意識させられることを避けようとして大河のためにという理屈にすり替えたからなのか。ていねいな演出が混乱を抱えた内面をさまざまな表情で一つひとつ拾い上げていく。
最後まで意地を貫き通した実乃梨は大河たちを送り出して緊張の糸が切れると、亜美に無防備な弱みをさらけだす。つられて亜美も、まだまだ人生は続くんだとか人生を語ってしまう。静かに雪が舞う夜景が映画的なシーンでターンエンド。
実はずっと母親に負い目を感じていたという高須竜児は思い詰めるタイプのようで、いきなり駆け落ちとか言い出しますよ。予想外の展開ですが、橋の上からダイビングしたり輪をかけてムチャクチャな告白タイムなので驚いてるヒマもありません。むしろいきなり逃げ出したやっちゃんに驚いた。キャラをパターンで処理しないから弱みを描くとホントに容赦ない。彼女にとって家庭は逃げ場だったんだね。自分が家出する前に母親に家出されてしまった竜児は、ただ逃げるだけでなく、大河のための家族を現実の中に作り上げなければならないと決意する。尺をめいっぱい使って祖父母の家に挨拶にいくとこまで見せて、いよいよ次週最終回。
しかしデレ大河の破壊力は絶大だな。