病院で腎臓のトラブルを指摘されたのはいつのことだったろうか。あれから7、8年はたっている。以前住んでいたマンションの最寄り駅に近いこぎれいなクリニックで、レントゲン写真を見ながら説明を聞いたのは覚えている。
あの頃は、病院に行く機会は年1回の予防接種のときくらいだった。そのときの検査で見つかったのだったか。珍しく様子がおかしくて、診てもらいにいったのだったか。今ではもう記憶にない。ただそのとき、片方の腎臓がほとんど使えなくなっていると言われたのだった。それ以来、美夜のご飯は腎臓病用の療法食になった。
そのとき紹介されたのは固形のカリカリと缶詰のウェットフードと、それぞれ1種類で選択の余地はあまりなかった。そのあと缶詰は楽天のショップで見つけて、箱買いするようになった。カリカリの方はずっと病院に買いに行っていた。
大きな地震のあった年の夏、今の住所に引っ越した。その秋も終わりの頃、美夜がご飯を食べなくなった。