比較文学の先生がパリで出版したフランス語版を日本人向けに大幅改訂した日本語版。日本の宗教文化を西洋人がどう見たか、
ラフカディオ・ハーンや
クローデルなど明治時代の日本にやってきたヨーロッパ人の書き残したものなどを中心に分析する。講演記録が元だからか、研究書というより文学っぽくて、共感を求める文章が目につくのが気になったけど、ハーン(
小泉八雲)とか怪談くらいしか読んだことなかったし、初期の日本研究家の見解とか、祖先崇拝や
アニミズムの東西比較とか色々面白いネタが豊富で飽きません。結局、
一神教に上書きされない宗教感情というか、宗教的な風俗習慣が根強く残った社会、ということになるのかな。
イザベラ・バードの
日本旅行記がなぜかマンガ化されたりとか、幕末明治あたりの西欧人が残した日本の記録がちょっと流行りみたいだし、本書で概観しとくのもよいかも。