サラ・パレツキー「カウンター・ポイント」

カウンター・ポイント (ハヤカワ・ミステリ文庫)

カウンター・ポイント (ハヤカワ・ミステリ文庫)

V.I.ウォーショースキー・シリーズ第17作目。パレツキーの1982年のデビュー作がシリーズ1作目なので、35年目になる。女探偵の草分けみたいなものだったけど、しっかり現役で続いてる。シリーズとともに作中時間も経過していくので、iPadとかも使いこなしてるし。ただ、年取ってタフな女探偵ヴィクもだんだんハードなアクションがしんどくなる。25年前に大学2年だったなら、今は45かそれ以上だよね。今回はロティの出番が少ない分、隣人のミスタ・コントレーラスが大活躍。シリーズ登場時にすでに老人だったミスタ・コントレーラスはもう90歳だけど、それでもカーアクションこなしたり大活躍で、読んでて心配になってくる。
今回は25年前の殺人事件の捜査から始まる。娘を虐待していた母親がついに娘を殴り殺した、として裁判で有罪となった。そしてその母親はすでに懲役刑を終えて出所している。元恋人からその再調査を依頼され、ヴィクは気が進まないまま関係者に会いに出かける。そして、ちょっとした違和感を手掛かりに過去の事件について聞き回るヴィクの行動は、次々と不審な騒動につながっていく。部分の見せ方がうまくて、謎に見えたり方向違いに振り回されたりするけれど、事件それ自体は単純で解決がわかりやすい。スピード感あふれる展開で、600ページを一気に読ませます。
シリーズ中盤以降、結構周りの人と喧嘩腰でぎくしゃくしてた気がしてたけど、今回はいい雰囲気になってるのも嬉しい。
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