ジーン・ウルフ「書架の探偵」

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

新しい太陽の書」のジーン・ウルフによるSFミステリ。
死んだ作家の記憶を植え付けられたクローンが図書館に収蔵されている未来世界。主人公は推理作家E・A・スミスのクローンで、コレット・コールドブルックと名乗る令嬢に借り出される。コレットは、死んだ兄の残した本に隠されている謎を解くために、その本の作者であるスミスを図書館から借り出したのだ。
いきなり謎の男たちに襲われたり、ロボット相手に聞き込みしたり、異世界カミツキガメに追われたり、SFでハードボイルドやるとこうなるのか。どこまでがSFのガジェットで、どこからがミステリのネタなのか、読んでて迷ったりします。でも最後まで読むとちゃんとミステリになってた。
しかし、話の中では、図書館からクローンを借り出す人は探偵させたり、事件の証言をさせたりとかだったりするけど、本来どういう目的で借り出すものなんだろう。クローンは物書いちゃ行けないというルールがあるということなので、新作書かせるとかは出来ないらしいし。別に本は本であるみたいなので、なぜわざわざ作家のクローンを収蔵してるのかはよくわからない。