芝村裕吏「マージナル・オペレーション改」

ヘリを奪取してなんとか北京の日本大使館に保護を求めることに成功したアラタとジブリールだったが、その晩に強襲を受ける。武器らしい武器もない中、辛くも侵入部隊を撤退させることはできたが、通信は完全に途絶。大使館は厳重な包囲下に置かれた。日本の諜報局員である”イトウさん”はアラタから得た中国の北朝鮮占領計画を本国へと伝える為に、そしてアラタはミャンマーのキャンプ・ハキムと連絡をとるために、脱出を図ることとなる。
今、この激動の東アジアを舞台にして、しかも北京でスパイアクションとか、下手すれば現実に追い越されかねないような設定で書いてるのは凄い。まあ冷戦時代のスパイアクションにも、そういう緊張感はあったね。でも、これだけの緊張感のあるポリティカルフィクションはなかなか読めない。アクションも、毎度厳しい制約条件を課しては、ギリギリ限界領域のマージナル・オペレーションを見せてくれる。

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マージナル・オペレーション改 02 (星海社FICTIONS)