夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦がブレイクしたヒット作「夜は短し歩けよ乙女」の劇場アニメ化作品です。大きく手を振って元気に歩く黒髪の乙女がいいですね。詭弁論部の詭弁踊りは、ウナギの様にヌラヌラと詭弁を弄するウナギ野郎のウナギ踊り、だったはずですが、一目でヘンテコ踊りと分かるヘンテコさなので、まあいいんじゃないでしょうか。原作が春夏秋冬四季巡る1年の話だったのが一晩の出来事になったために、わけわからなくなったところもありますが、なんかこう「正気に返るスキを与えない」ひとつながりの夢のようなお話になったと思います。
京都の裏道を走る満艦飾の3階建電車とか、糺ノ森の古本市で本棚の間の狭い通路の奥に現れる不思議な部屋とか、原作では幻想的ながらどこか怖ろしいイメージがあったのですが、映画では異界につながるような不気味さは無くなっていたのが惜しまれます。
同作者の「四畳半神話大系」と重なるキャラクターも多いので、合わせて読むと興趣が増します。
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夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

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