佐倉色「とある新人漫画家に本当に起こったコワイ話」

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

新人マンガ家と大手出版社のトラブル実録マンガ。「色紙1600枚事件」ってのは寡聞にして知らなかったけれど、作家出版社のトラブル自体はネットで色々と見かけたりはする。でも、コミックス1冊の分量で一部始終を描き切ってるのは初めて見た。あくまで告発本ではなくコミックエッセイなので、作者のその時その時の感情や周囲の状況を入れつつ、冷静に突き放してマンガとして描いているから、読みやすい。主要キャラは作者と担当氏の二人で、電話とかネット経由の交渉とかが主体なので、作者も言ってる通り「顔芸マンガ」ではあるけれど、とんでもない陥穽にハマった一人の女性の蹉跌と再起のドラマとしてリアルな説得力を持っている。とりあえず作者の他のマンガが読みたいと思った。
(追記)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1706/10/news018.html
作中「第六章 絶対に無断転載じゃありません!!」の描写について、著しく事実と異なる表現がある、とねとらぼ編集部が経緯説明と反論の記事を掲載しています。